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私の目の前にお母さんの作ってくれたお弁当がある。梅雨入りをして朝方や夜中はまだ毛布をかぶらなきゃいけないほど寒く、でも昼間は日が出ると暑く、私はいまだに服装を決められない。仕事に行くための服を選ぶのが面倒だけどそもそも仕事着と普段着があまり別れてないから変わらねーやと思う。
頭痛がする。
私はサラダを食べながら晴れた空を見る。朝まで雨が降っていたので外は少しだけ蒸していた。昨日の夜、突然昔好きだった人のことを思い出して、その人のラインを見に行ったら可愛い猫二匹のアイコンに変わっていて、なんだこれ彼女いるなーと思ったけど彼女どころじゃない、結婚しててもおかしくない年齢でした。私もそう、私は連絡するのはやめよーと思ったけどそもそも10年前に一ヶ月付き合ってた女から急に連絡きたらそれはもうホラーなんですよね。
毎日毎日生きているのに、時が止まっている気がする。
私の時は止まってしまったのかもしれない。
私はあんまりこう、器用に他人と付き合ったりできないので、恋をするとその恋に全てのエネルギーを注いでしまうタイプなので、疲れるからやりたくねーなと思うことが多いけど、こういう風に昔のことを思い出して、誰かを好きになりたいと思うこともある。いや疲れるから嫌だけど基本、でももしかしたら私には他の人生があったのかも? と思うことがある。
多分それは誰もが思ったことがある。
なかったよ、他の人生なんて。
私を含めたみんなに言いたい、なかったのよ、他の人生なんて。あなたの人生がただそこにあるだけ。私の人生がただここにあるだけ。
時には選べない場面も我々にはあった。それがほとんどだったかもしれない。選ぶこともできないまま流されてたどり着いたのが今ここなのかもしれない。でもそれが私の人生であり、後悔したとしても、幸せにしてあげたかったなんて今更思ったとしても(今更なんかじゃない、ずっと思っている)、今ここにいるのが私で、誰にも代わってもらうことはできない。ここにいる。私はここにいる。私は私の人生を生きている。たとえそれが完璧に美しいものでないとしても、思ったとおりのものでないとしても、私は抗い、戦い、選択し、押し付けられたものを受け取り、捨て、破き、拾い、繕って、今ここにいる。
あなたもそう。
目の前のレタスは美しいフリルを持って、みずみずしい。
そこに愛がありますように。