あけおめ2022ポエム

ハッ……2022年……?
時がたつのがあまりに早い

一昨年はぜんぜん雪が降らなかったのですが昨年(えっ昨年という言葉を使うのに違和感が過ぎる、一か月前)は結構雪が降って、今日も降りました
雪が降ってんのを見るのは好きだな
とても静か、降り注いでくる何か、空から水が凍って落ちてくるのだんだんおかしなことに思えてくる
特別な儀式めいたなにか

相変わらずキッズと一緒に生活していて、でも収入は同世代の人間の半分以下、実家がなければ生きていけてない
キッズの生きるエネルギー! みたいなものに生かされている気がする
なんでか今日はシューベルトアヴェ・マリアが聞きたくなって私はこの曲にマジでいい思い出がないのでなんか変な嫌なものを感じながらそれでも聞いている

わからないんだよな
なにもわからないんだよな
祈ってる
意味はないのに
なにかを祈っている

愛があったほうがいいと思っている
人を愛せたほうがいいと
お金があったほうがいいとわかっている
正しいことが美しいと
健康であることはすばらしいとか
長生きするほうがいいだとか
笑っているとか
なにかそういう、幸せが
いいと
そういうことを
わかっている
もう知っている

もう知っている。

わからないんだよな
流れた水の行く先が
吹く風のいたる場所が
舞う雪の軌道にも意味が与えられてほしい
私は音を出し
その反響でなにかを知ろうとする
その音に意味を見出せないのに
共鳴が素敵な和音ではないかと思う
私はあなたの東にいると思う
私の吐いた息があなたの街に雨を降らせると思う
あなたの返す無意味な影を
自分そのものだと思いこもうとする
私の返す無意味な影を
あなたそのものだと思ってほしい
そうあってほしいと
願っている

だれかが言う、幸せであることが最良のものだと
わかってるって
世界は美しいということを

私はもうすでに知っている
愛はあるということ
友情もあるということ
お金は稼げるということ
健康になれるということ
人々が言う幸せであるという意味を
最良のものを

だからわからないんだよ
私の身の内に広がる空洞の
底のない穴の向こう側から
風の吹く音が聞こえるのはなぜなのか
ここではないどこかの景色を
本当のなにかを
わかりたくて

なにかに祈ったりする
なにを祈ったりする?
それもわからないまま終わる
ただ明日も空が美しければいいと思う
あなたが生きていてくれたらいいと思う
わかるのはそれだけ

詩人には死ぬほど向いていない
わかるのはそれだけ