sketch 8

桜咲いてると思ったらすでに石楠花も咲いていた
橋口亮輔監督『恋人たち』を見てきました 2015年の映画
あらすじはwikipediaの方が詳しいんでそっちに任せますけど
妻を通り魔に殺された男と、平凡な妻として生きる女と、あといろんな人々が交差しない直線の話
妻を殺した通り魔の家族に損害賠償請求しようとする男は、働くことも出来ず覚せい剤打とうとしたり手首切って死のうとしたり、そのあと妻の位牌に向かって「殺すこともできず、死ねもしない、ごめん」と泣きます
殺すこともできず、死ねもしないなら、生きるしかない
キャッチコピーは「それでも、生きていく」だったような気がする*1
平凡な妻として生きる女は皇室に嫁いだ雅子妃のワイドショーのビデオを繰り返し見て、王子様がお姫様を迎えに来る小説を書く
肉屋の男と知り合って、「養鶏場をもちたい」という男に一度はついていこうと決意するも男は麻薬中毒者で全部嘘だったことを知る
そこで「自分の夢がなんなのか一体わかんなくなっちゃった」と涙する
そうして今までの暮らしに戻る
今までただの性欲処理みたいな夫とのセックスだったんだけど、最後夫が言うんです、コンドームなしでもいいじゃん、子どもできたっていいじゃん、「夫婦なんだし」と

男の仕事は橋の点検なんですけど、東京の首都高の下を流れる川の映像がたくさんでてきてきれいだったな
主題歌はAkeboshiの「Usual life」

昔六本木森ビルに見に行った現代芸術のインスタレーションに、川を行く映像と音楽をひたすら流しつづけるっていうのがあったなと思い出しました

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どんな不幸のどん底でもなんらかの希望を見つけてしまう
どんなに社会が冷たくても優しい人はどこかにいる
どんなに平凡でつまんない人生でもどこかに愛がある
何が幸せかなんて私たちの手の届かないとこにあるから
たぶんあんまり考えない方がいいんだろうなと思った

私映画観ても「よかった~~」しか言えない基本バカなんですけど今回も
よかったよ~~

全然関係ないけど園子温監督『愛のむきだし』も見たくなった
どえらい暴力的だったり長かったりで見るのにだいぶエネルギー使う映画ではあるんですけど
ゆら帝聞きたい~という気持ち

*1:「それでも人は、生きていく」でした